JAM2021 一次・二次オーディションの審査員を務めてくださったKomeiさん、かくたあおいさん、新井和佳奈さんより審査総評をいただきましたので公開いたします。
Komeiさん
全体的にレベルの高い音源・演奏で、皆様の熱意を感じながら楽しく審査させて頂きました。
私の審査基準は「伝わる」を重視して採点しています。
楽譜再現の正確さ、歌詞の発音やシラブルの音色、フレージング、リズムや言語のアクセントの位置・強弱、抑揚、さらにはステージ上での身体の動かし方や立ち居振る舞い、MCの内容や語調、衣装、表情などの演技面を総合的に観て/聴いて、【表現したい/伝えたいものに対し、違和感がなく(あっても)伝わりやすくするための効果的なパフォーマンスが出来ている】グループを高く評価しました。
(フレージングの意識が甘く楽曲の流れがスムーズでないグループ、母音=音色の変化が小さく楽曲の表現幅が狭いグループが多かった印象です)
聴き手の感性は人それぞれです。
なるべく多くの人に伝えたいことが伝わるには、普段から「グループ全員の感性の多様性」を認め、自分たちのパフォーマンスを、”それぞれの主観から客観的に評価”することを意識すると、きっともっと楽しくなると思います。
またどこかで皆さんの音楽に触れられることを楽しみにしています!
Komei(suisai)
かくたあおいさん
たくさんの素敵な演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。
審査員を務めさせていただけたこと、光栄に思います。
総評として、今後の参考になりそうなことを2点述べさせていただきます。
①アレンジについて
コーラスがしっかり歌えているバンドが、多くなかったように思いました。
これはコーラスの歌唱力の問題のみならず、アレンジの音の積み方も一因としてあると考えます。
女声でも平均してG3くらいまでは、ふくよかな倍音を含んだ音色で歌えます。
音楽はダイナミクス(音量差)で以て展開させていくこともありますが、音域差で展開させることも可能です。アレンジャーの方は、ぜひ低い音域から積み始めることにトライしてみてください。
②パッケージングについて
聴き手を惹き付けるためには、どのようなことをしますか?
最も簡単なのがイントロを”盛る”ことです。感動というのは、自分の予想を超えたときに起こります。強い印象を”これでもか”と与えられるようなパフォーマンスを追求していくと良いでしょう。
またステージングを行うバンドも増えてきました。音楽といいつつも、視覚から得られる情報は大きいです。衣装だけではなく、動きがあるとより優れたエンターテイメントになると感じました。
新井和佳奈さん
この度、JAM1次・2次審査をさせて頂きました。
どのバンドさんも本当に魅力的で、個性に溢れていて、甲乙つけがたい審査になりました。
素敵なバンドさんに出会うと毎回感動して、審査を忘れて演奏に没頭してしまう瞬間もありました。
今回、全体を通して、私なりに感じたことをお伝えしたいと思います。
私が今回審査をする上で、誠に独断と偏見ではありますが……私の「心」がどう動いたかを基準に見させて頂きました。
これは私に関わらず、聴き手の心を掴むという視点においては一般的なことだと思います。
聴き手の心を掴む方法は様々あると考えていて、圧倒的な歌唱力、ハーモニー、又はパフォーマンス、更には音圧、構成力(抑揚)、表現力などが挙げられると思います。
『音楽』とは自らが楽しむものであり、その先に聴き手を楽しませることができるものと私は考えます。
大会とは言えど、少々荒さがあっても、「心」を動かされたバンドを今回評価させて頂きました。
技術的なことはさておき、今一度、それぞれグループの最大の魅力がどこか、その魅力を最大限に引き出すにはどうしたらいいのか、考え抜いて、それぞれ導き出して欲しいなと思いました。
引き続きJapan A cappella Movementをよろしくお願いいたします。
Japan A cappella Movement 2021 実行委員会